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実は発電量が最大ではない!?夏の太陽光発電

2021年6月20日 仕組み
実は発電量が最大ではない!?夏の太陽光発電

太陽光発電量が一番多い季節は春・夏・秋・冬のいつだと思いますか?多くの方は「夏」と答えるでしょう。日射量、日照時間は申し分ないですし、なんといっても「夏といえばたっぷりな太陽光!」という明るいイメージのせいかもしれません。果たして夏は本当に太陽光発電にとってベストな季節なのでしょうか?今回は夏の太陽光発電について解説していきます。

夏の太陽光発電の発電量

太陽光がサンサンと降り注ぎ、太陽が出ている時間が長い夏は、「太陽光発電し放題!!」というイメージではないでしょうか?しかし実は、夏の太陽光発電の発電量は、思っているほど多くはないのです。

実は月別で年間の発電量を比較すると、発電量が最も多いのは「4月~5月」と言われています。
確かに太陽光発電に重要な「日射量」「日照時間」を比較すると夏場が一番多いのですが、”発電量”となると話は変わってくるのです。それではなぜ、夏の発電量が少ないのでしょうか?

※参照:NEDO 日射量データベース(MONSOLA-11)

なぜ夏の太陽光発電量が少ないのか

太陽光発電というと、日射量が多ければ多いほどたくさん発電すると思われがちですが、発電量を左右する条件はそれだけではないのです。発電量を左右する別の大きな条件として「温度」が挙げられます。「夏の気温」が発電量低下の原因となっているのです。

太陽光パネルは高温に弱い

近年の夏は、毎年のように「観測史上最高」という記録的な最高気温を叩き出しています。そんな酷暑ともいえる真夏の炎天下にさらされている太陽光パネルの表面温度は、とても高温になっているということは容易に想像できるでしょう。真夏の太陽光パネルの温度は、70℃以上になるとも言われています。

一般的な太陽光パネルは、内部にシリコン半導体が使われていますが、このシリコンが高温に弱いという特性を持っています。日本の真夏のような高温下では、100%のパフォーマンスが発揮できずに発電効率が下がってしまうのです。
太陽光パネルが最も効率よく発電ができるのは、パネルの温度が25℃の状態の時です。そこからパネル温度が1℃上昇するごとに、0.5%ずつ発電効率が低下すると言われています。つまり、夏場にパネル温度が70℃に達してしまった場合は、20%以上発電効率が落ちることになります。

パワーコンディショナーも高温に弱い

熱さに弱いのは太陽光パネルだけではありません、実はパワーコンディショナー(以下、パワコン)も高温に弱いのです。パワコンには「温度抑制」という機能が備えられており、パワコン内部の温度が一定以上に上昇すると温度抑制が働きます。温度抑制中はパワコンの出力を抑えるので、発電量が低下することになります。

1年間の中で春が発電量のピークとなるのは、十分な日射量、日照時間があり、適度な気温だからなのです。

夏の発電量低下を最低限に抑えるためには

せっかく十分な日射量があり、日照時間が長い夏ですから、できるだけ太陽光発電システムには本来のパフォーマンスを発揮してもらいたいものです。
そうとはいえ、気温があまり上がらない避暑地に夏だけ太陽光発電システムごと引っ越すことは現実的ではありません。それでは、暑い夏に発電量の低下を防ぐ方法は無いのでしょうか?

高温に強い太陽光パネルを使う

これから太陽光パネルを設置しようとしているのなら、高温に強い太陽光パネルを選択することで、夏場の発電ロスを抑えることは可能です。
最近では各メーカー、高温下でも発電効率が下がりにくい温度耐性のある製品を作っており、中には高温高湿下でも発電効率の低下を10%以下に抑えるという製品もあります。

定期的なメンテナンス

発電量の低下の原因は高い気温だけではなく、太陽光パネルの表面の汚れにあることもあります。パネルの表面に鳥のフンや落ち葉などが落ち、その一部分が長期間に渡って発電できない状態が続くと、ホットスポットができてしまうことがあります。ホットスポットは、発電効率が低下するだけではなく、最悪の場合は火災の原因にもなり得ます。これは定期的にメンテナンスを行うことによって、未然に防ぐことができます。

まとめ

日本の夏はどんどん暑くなってきており、人間だけではなく、太陽光発電にとってもとても厳しい季節だということがおわかりいただけたでしょうか?
現状は、太陽光発電の暑さ対策でできることはあまりありませんが、暑さによる発電効率低下は各メーカーが認識していることであり、今後は暑さ対策を施したパネルなどが開発されることが期待できます。
太陽光発電の恩恵を最大限に受けたい場合は、太陽光パネル選びはとても大切です。その地域の日射量や日照時間だけでなく、気温や天候など、さまざまなことを考慮して選ぶ必要があります。施工会社はその地域の特性をよく理解しています。どれが良いかわからない場合は、事前に相談してみると良いでしょう。

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